今日から二十四節気の「芒種(ぼうしゅ)」です。
昔は、稲や麦など芒(のぎ)のある作物の種を蒔く時期とされていました。
芒とは、稲の穂先にある針のような突起をいいます。
また、この頃は梅雨入りの時期で入梅(にゅうばい)ともいわれます。
夏の旬の野菜にトマトがあります。
トマトは、南アメリカのアンデス山脈高原地帯(ペルー、エクアドルなど)原産のナス科の野菜です。
トマトが世界に知られるようになったのは、コロンブスの新大陸発見後、ヨーロッパにもたらされてからです。
当時のヨーロッパでは鮮やかな赤色をしたトマトを「食用」ではなく「鑑賞用の植物」として栽培・販売していました。
日本には、江戸時代に、やはり観賞用として伝わり、唐柿(とうし)、赤茄子(あかなす)などと呼ばれていました。
食用として栽培されたのは明治以降で、今では数多くの品種があります。
トマトは非常に栄養価が高い緑黄色野菜です。
「トマトが赤くなると医者が青くなる」という西洋のことわざがあります。
また、中国では高血圧患者の補助療法として、トマトを食べるよう勧めているそうです。
トマトの赤い色素成分であるリコピンは、強い抗酸化作用を持っています。
さらに、ビタミンCとの相乗作用で、体内の不要な活性酸素を撃退してくれます。
また、ビタミンCは、トマトの含有成分であるルチンとの相乗作用で血圧を下げ高血圧を改善します。
トマトには体の余分な熱を冷ます作用があります。
口の渇きや暑気あたりによる消化不良にも効果的です。
ただし、冷え性や虚弱体質の人、お年寄りは生で沢山食べないようにしましょう。
*リコピンは油に溶けやすい性質のため、
油と一緒に食べると体内への吸収率が高まります。