今日から解除される予定だった緊急事態宣言が5月末まで延長されました。
ここ横浜でも自粛要請が続いています。
新型コロナ騒動の中で、「ウイルスの不活化」という言葉がよく出てきますが、「殺菌とどう違うの?」というご質問をいただきました。
一部のウイルスは一部の細菌と同様に感染症を引き起こし、植物や動物、人にダメージを引き起こすことがあります。
そういう意味では「厄介なヤツ」という共通点があります。
ところが、この二つ、全く別の物です。
ウイルスは細菌の50分の1くらいの大きさしかありません。
そして最大の違いは、細菌は生き物ですが、ウイルスはそうではないということです。
ウイルスは何層もの脂質(脂肪)でできた膜に覆われたタンパク質です。
細菌は生き物なので環境が整えば自ら増殖できますが、ウイルスは生き物ではないので、人など他の生き物のちょうどいい細胞の中に入り込めたときだけ、増えることができます。
自力では増殖できません。
そこで「不活化」が登場します。
細菌は生き物なので殺すことができるので殺菌といいます。
ウイルスは生き物ではないので、殺ウイルスとはいわず、その働きや悪影響をなくすという意味で不活化という言葉を使うのです。
今回の新型コロナウイルスが何で不活化されるかは、徐々に分かりつつあるところです。
・せっけんの泡
・65%以上のアルコール
・熱
などこれらは、新型コロナウイルスの膜である脂質を溶かして、崩壊させます。
・塩素系漂白剤
は、ウイルスの中のタンパク質を破壊します。
・太陽の紫外線
は、地上まで届いたものでは弱すぎてタンパク質の破壊は難しいといわれていましたが、こちらも条件によっては太陽の紫外線でも数分で減少することがあると分かりつつあります。
このように、ウイルスの持つ脂質やたんぱく質の一部を破壊したり、変形させると、不活化することができます。
その他、家庭用中性洗剤なども使えることも。
最新の4月中旬発表の研究では今回のウイルスは50%以上のアルコールなら一分間つけると崩壊することが分かりました。
使ったマスクの消毒に、つけておくこともできますね!
続々と研究結果が発表されてきています。
新しい情報をとりいれていきましょう。
ウイルスはお気に入りの細胞に入れなければ時間とともに不活化されます。
布の上なら3時間、木なら4時間、段ボールなら24時間、金属なら42時間、プラスチックなら72時間で不活化されるといわれています。
新型コロナウイルスのお気に入りの細胞は目や鼻やのどの粘膜です。
ウイルスが手についただけでは感染しませんが、その手で顔をさわらないように注意が必要です。
また、感染している人と近くで話すと、その方の唾液の微細な飛沫が直接呼吸器に入ってしまいます。
症状が出る前から感染力があることが分かってきています。
やるべきことをして、あとはどう過ごすか、知恵比べです。
今回のウイルスについて、正しい知識を持って賢く対処しましょう。
イラストは、コロナ禍のいま、話題のアマビエ。
日本の伝説の半人半漁の妖怪で、絵を掲げておくと疫病退散になるとのこと。
この際、アマビエさまにおすがりしてでも早くコロナウイルスに退散していただければいいのですが。