6月4日は6(む)4(し)で、虫歯予防デーです。
虫歯の原因は、歯垢(プラーク)と呼ばれる細菌のかたまりです。
歯垢の中には、ストレプトコッカス・ミュータンス菌を代表とする虫歯菌が存在し、食べ物の残りかすに含まれる糖分をエサにします。
糖分を分解する際に酸を産生し、歯のエナメル質を溶かします(脱灰)。
唾液には脱灰した部分を修復する働き(再石灰化)があり、口の中では脱灰と再石灰化が繰り返されていますが、歯垢が長く歯についていると、再石灰化が間に合わず、虫歯になってしまいます。
虫歯にならないためには、歯垢の除去が大切です。
歯磨き、歯間ブラシやフロスの使用、フッ素塗布などが効果的です。
また、ミュータンス菌は、生まれたばかりの赤ちゃんには存在しない菌です。
身近な大人からうつるケースが多いので、子どもにミュータンス菌をうつさないことも、大切な虫歯予防となります。
歯磨きの歴史は古く、古代エジプトの「チュースティック」、古代インドではお釈迦様が広めた菩提樹の枝で作った「歯木(しぼく)」が歯ブラシの始まりといわれています。
歯木は、現在でも多くの国で使われていて、インドではニーム、パキスタンではピールウ、アフリカではクルミなど、使われる歯木は場所によってさまざまです。
これらは薬木で、タンニンやフッ素など、虫歯や歯周病の予防となる成分が含まれています。
日本には、仏教とともに中国から歯木が伝わりました。
また、長く日本の風習であったお歯黒は、焼いた古釘とお米やお茶などから作られる鉄漿(かね)と、タンニンを多く含む五倍子粉(ふし粉)を混ぜたものを使用しますが、塚や墓から掘り起こされたお歯黒の歯には虫歯がほとんど見られなかったそうです。
タンニンは、殺菌・消臭作用や、収れん作用があり、虫歯や歯周病の予防に効果があります。
フッ素には、歯垢が作る酸の量の抑制、歯の再石灰化の促進、エナメル質の強化などの虫歯予防効果があります。
歯磨きができないときは、タンニンやフッ素を多く含むお茶を飲むことで、虫歯を予防しましょう。
<タンニンやフッ素が多く含まれるお茶>
・緑茶 ・紅茶 ・ウーロン茶 ・ルイボスティ