明日、3月11日からは七十二候の桃始笑(ももはじめてさく)です。
ここ、横浜では梅、桃、桜の順に咲きますが、福島県の三春はこの三つの花が一度に咲くとのこと。
春が来た!!!
という感じでしょうか!
梅も桃も桜もバラ科の植物です。
いずれも花を愛でるのみならず、実も美味しく食べられます。
そのなかで今日は桃のお話です。
原産地は中国北西部の黄河上流地帯です。
そして日本にも弥生時代には伝わっていたようです。
桃の花は邪気を払ってくれるといわれ、庭の北東、鬼門に植えられてきました。
つぼみの膨らんだ桃の枝は厄払いとして雛祭りに飾られます。
まだ寒いうちから凛と咲く梅に比べて華やかな印象です。
花がまだ咲いている頃から葉が少しずつ出ます。
葉は夏の「あせも」対策に、その煮出し汁が入浴剤として使われます。
桃の果実は、近頃では品種も多くなり、それぞれに実のつく時期が違うためハウスものまで含めると5月末頃から10月ごろまでとずいぶん長い期間楽しめるようになりました。
山梨、福島、長野、岡山が主な産地になります。
果汁たっぷりの桃の実は暑い季節にぴったりです。
多くの果物がからだを冷やす性質を持っている中で珍しく「温」の性質を持っています。
体を潤すはたらきがあるので、薬膳では口の渇きや便秘、疲れたときの体力回復、咳、喘息などによいとされています。
そして、種。
核の中の仁(じん)と呼ばれる部分は桃仁(とうにん)という漢方薬にはなくてはならない生薬です。
血流を改善したりお通じを良くします。
といってもこれは使ってはいけない人もありますので、桃の実を食べた後に残った核から取り出して使ったりしないでくださいね。
木から始まって花、葉、実、種まで、とても役に立つ桃です。
人との長いおつき合いを感じます。
〈簡単レシピ〉
余った桃の実は一口大に切り、楊枝を刺してそれぞれがくっつかないように冷凍します。
口さみしいときに一つ食べるとリフレッシュできます。
レモン汁をかけておいてもいいですね(変色しにくくなります)。
くれぐれも、食べ過ぎないようにしてくださいね。
お腹を冷やしてしまいますから。