インドや中国・韓国でも古くから行われる仏教行事で、日本では、花で飾ったお堂のなかに祀られる小さな誕生仏の像に甘茶をかけて供養します。
甘茶供養は、お釈迦様の誕生をお祝いして竜王が冷たい雨と温かい雨(甘露)を降らせた、という言い伝えがもととなっているそうです。
この伝説にあやかって、甘茶をいただきました。
訪ねてきた友人に飲ませてあげようと思って、ティーバッグの甘茶を出しました。
すると、低糖質ダイエット中の彼女から、
「甘い? お砂糖が入っている麦茶みたいな味? どんな甘味料が入っているの?」と矢継ぎ早に質問が!
「自然な甘みだから大丈夫」と答えたものの、じつは詳しいことを知りません。
甘茶って何だろう?
早速、調べてみました。
英語でもAMACHAと表記され、Wikipedia英語版には「アジサイの葉から作られた日本のハーブティ」と説明があります。
甘茶ってアジサイ?
確かアジサイの葉には毒性があるのでは?
・・・どういうことかしら。
甘茶は、自生しているヤマアジサイの変種です。
アジサイ属なので一見アジサイによく似ていますが、ヤマアジサイの葉は、縁にギザギザがあり艶がなく、細長くて小さめのサイズです。
葉を摘んで自然発酵させ、蒸して葉を揉んで乾燥させると、甘さが出てくるのだそうです。
「カロリーゼロ、ノンカフェイン、胃腸の機能を改善する、血行をよくする、抗アレルギー作用がある、口臭や歯周病対策としても使われている」と調べた効用を伝えると、花粉症もあるこの友人は喜んで飲んでくれました。
4月には、いろいろな場面で新しいチャレンジや出会いがあります。
特にこの時期というのは、健康を維持しておきたいものです。
甘茶を調べていくうちに、この月に甘茶をいただくのには、あながち風習としてだけではないと思えてきました。
新しい出会いのときに好印象を与えるためにも意味があるのではないかしら、と。
『健康的で息さわやかな私』でいることは、新しい出会いの備えになります。
日本独自のハーブティならではの、自分と自分を取り巻く存在に心配りするといった優しい気持ちが「4月の甘茶」に込められているのでしょうか。
そんなことを考えながら、あの甘さを今日も味わおうと思います。