5月5日は「立夏(りつか)」でした。
夏立つともいい暦の上で夏の始まりとされています。
またこの日は、端午の節句でこどもの日。
晴れた空には鯉のぼりが泳ぎ、柏餅でお祝いをした方も多かったことと思います。
カシワの葉で柏餅をつくるのは江戸で生まれた風習とのこと。
カシワは次の新芽が育つまでは古い葉が落ちないことから、子孫が絶えないようにという願いが込められているようです。
そのほかの地方では、サルトリイバラやホオノキやニッケイなどの葉を使って柏餅を作るそうです。
特に西日本では昔からサルトリイバラの葉で餅を蒸すところが多く、しば餅、いばら餅、かからん団子など、いろいろな呼び方があるようです。
また、5月5日は「薬日」ともいわれています。
推古天皇の代に行われていた「薬狩り」にちなむもので、日本書紀に記録があります。
男の人は鹿茸(鹿の角)を、女の人は薬草採取を行うのが習わしだったそうです。
サルトリイバラはユリ科シオデ属の植物ですが、同じシオデ属で実が黒く熟すサンキライ(山帰来)が西日本には野生しています。
このサンキライの仲間に土茯苓(どぶくりょう)と呼ばれる薬草があり、根茎が生薬として漢方(皮膚湿疹や関節痛)で使われています。
きっと、推古天皇のころからサンキライを薬草として、日々の健康のために使っていたことでしょう。