6月27日からは七十二候の菖蒲華(あやめはなさく)です。
アジサイと並んで梅雨に愛でられるアヤメ、カキツバタ、ハナショウブ。
花弁の付け根に網目がある、白い筋がある、草地か湿地か、と見分け方があるようですが、5月中旬から6月下旬にかけ、順次美しい花を咲かせてくれるので、梅雨の晴れ間のお散歩が楽しみになります。
これらは、いずれもアヤメ科の植物ですが、5月5日のこどもの日にお風呂に入れるショウブはショウブ科の(以前はサトイモ科とされた)別の植物です。
そして、季節の果物として梅雨時分に出回るのが枇杷。
俳句の世界では仲夏(6月上旬から7月上旬)の季語とされています。
庭の隅にたわわに濃い黄色の実をつけている枇杷を見るとわが家のものでもないのに嬉しくなってしまう・・のは私だけでしょうか?!
枇杷は実を楽しむのはもちろんですが、江戸時代には葉の裏の細かい産毛を除いて干したものを暑気払いのお茶にしたそうです。
肺や胃の熱を取ってくれるので咳のある時に焙じた葉をお茶にする、吐き気のある時に生の葉を煎じて飲む、煎じた液をあせもや肌荒れの改善のための入浴剤にするなど、「わが家のお薬」として、さまざまに活用されてきました。
枇杷の種の健康補助食品のお問い合わせが時々あんず薬局にありますが、あんずの種同様、シアン化合物を大量に含んでいることがあります。
農林水産省からも「食べないように」との勧告も出ています。
健康被害が出ることもあります。
種を食べたり飲んだりしないように注意してください。
枇杷の葉は産毛が粘膜の刺激になります。
お茶や入浴剤で使うときは、産毛をたわしで取り除いた後、お茶パックのような袋に入れて煎じてください。