秋たけなわの頃になると、やぶの中で卵大のかわいらしい橙色の実が目を引きます。
でも、今の時期は立秋を過ぎて暦の上では秋とはいえ、まだ花も咲き、暗くなると美しいレース編みのような白い花を咲かせます。
早めに結実したカラスウリもまだ緑色で縞模様があり、イノシシの子どもの瓜坊のようです。
今日から二十四節気の処暑の時期。
このころから朝夕は涼しい気配が感じられる・・・はずですが、近年は熱帯夜が続き、夏の疲れもたまっていて厳しい時期です。
汗が噴き出るような日々、一昔前までは赤ん坊や子どもの湯上りに、天花粉(天瓜粉)といわれる白い粉を首回りや関節、おむつ替えにはおしりにもパタパタとはたき、あせもやただれの予防にしました。
この天花粉、よく見かける橙色のカラスウリと同じウリ科の植物のキカラスウリの根塊からとったデンプンです。キカラスウリの実は黄色く、食用にもなります。
キカラスウリやオオカラスウリの皮を除いた根塊は栝楼根(カロコン)という生薬で、解熱、口渇、乾燥性のせきや痰、化膿性疾患などに使われます。
昔の人々は、身近な植物にさまざまな薬効を見つけていたことに驚きますね。