秋の赤い実の代表は、紅葉も美しい「ななかまど」ですね。
ななかまどは日本各地の山間部で普通に見られるバラ科の落葉高木です。
名前の由来は、7回かまどにくべても燃え残るほど堅いといわれていることから七竃(ななかまど)と名前がついたそうです。
このななかまどは秋になって霜にあたると、目の覚めるような赤色に紅葉し、実も赤く熟して見事です。
この実はななかまど酒として果実酒にすることができます。
ななかまどの熟した実にはタンニン、リンゴ酸、糖、ビタミンCなどの成分が含まれます。
ただし、微量のシアン化合物とソルビン酸、苦味成分も含まれていますので多量に飲むのはひかえたほうが良さそうです。
シアン化合物はいろいろな種や果物に微量含まれています。
一説によると実に雪が降り積もっては凍るを繰り返す…と実の中の有毒成分が減少するといわれています。
野山の鳥はななかまどの実を冬の食糧にしていますが、この事を本能的に知っていて雪をかぶった赤いななかまどの実をついばんでいると思われます。
ソルビン酸は食品の保存料として、蒲鉾など多くの加工食品に使われています。
厚生労働省はソルビン酸を食品添加物として認めていますが、できる事ならば体に取り込まないほうがよさそうです。
なお、ななかまどにはいろいろ種類があります。
オウシュウナナカマドは英名をローワンといい、日本のななかまどより実の色のオレンジ色が強く料理の添え物、ジャム、ゼリーなどにして食べるそうです。
また、ヨーロッパでは民間薬として下痢や痔に使われているそうです。