昨日3月3日は上巳の節句・・・ひな祭りでした。
明後日3月6日は啓蟄(けいちつ)です。
土の中で冬眠していた虫たちが、春の気配を感じて眠りから覚めて活動を開始する頃となりました。
春の訪れは、生命力や躍動を感じます。漢方では春は曲直(きょくちょく)の季節。曲がったり、真っ直ぐ伸びたりしながら、外へ広がっていきます。
でも、日本の風物詩ともいえるコタツにみかんの季節はおしまい・・・と、少しばかり心残りな季節の変わり目でしょうか。
コタツにみかんのみかんは、一般に温州みかんです。
柑橘類というと、かつては温州みかんの季節の終盤に八朔(はっさく)がでてきて、甘夏や夏みかんと続いているくらいでした。
近年は、実を食べる柑橘類の種類が驚くほど豊富です。
オレンジやネーブルも国産がでていますし、デコポン・しらぬい、せとか、清見(きよみ)、伊予柑、美生柑(みしょうかん)、文旦、晩白柚(ばんぺいゆ)などなど。
かんきつ類同士のかけ合わせや、一定の地域でしか出回っていなかったものも流通に乗ってきているのでしょうか。
柑橘好きには嬉しいかぎりです。
柑橘類。漢方では、理気(りき)〈気をめぐらせる〉、健脾(けんぴ)〈消化器系の健全化〉、化痰(けたん)〈身近なところでは痰や鼻づまりなどの改善〉の薬として温州みかんの皮を乾燥させて、陳皮(ちんぴ)、橘皮(きっぴ)として利用してきました。
陳皮は聞いたことがあっても、橘皮はあまり聞いたことがない方が多いかもしれません。
橘皮の古くなったものが陳皮。
漢方薬としては古いものが薬効が優れているとされています。
陳には古いという意味があって、陳橘皮を陳皮というようになったそうです。
有難いお名前です。
漢方薬が発展してきた時代には温州みかんしか手に入らなかったのかはわかりませんが、さまざまな柑橘を手に入れることができる現代。
おいしく食べたあとは、皮を千切りにしてザルに広げて陳皮、橘皮作りを楽しみます。
干している間もすっきりとした香りに理気作用を感じます。
さて、一昼夜たって、できあがったばかりの「橘皮」。
まずは、紅茶にブレンドして柑橘ティーとして楽しみます。
おうちでできる薬膳茶ですね。