12月7日からは、二十四節気の「大雪(たいせつ)」です。
本格的な冬が到来する頃で、山々は雪に覆われ、平野でも雪が降り積もり始めます。
朝夕もかなり冷え込み、池や水たまりが凍るようになってきます。
また、虫や熊などの動物も冬眠に入る時期です。
庭先にある南天の実が赤く色づいています。
南天(ナンテン)は中国原産のメギ科の常緑低木で、庭木として親しまれています。
南天という名前は、中国では「南天燭(ナンテンショク)」や「南天竹(ナンテンチク)」といい、それが略されて日本では「南天」になったといわれています。
また、漢字の読みが「難転」、難を転じることから縁起の良い木とされ、災いや穢れを断つため、玄関先やトイレ付近、鬼門の方角に植えられてきました。
お宮参りや初節句、七五三をはじめ、お祝い事では、赤飯に南天の葉が添えられています。
これは厄除けの意味合いのほかに、葉に含まれるアルカロイドのナンジニンという成分が傷むのを防ぐ効果があるようです。
薬用には、果実、葉、茎、根いずれも利用されます。
秋から冬にかけて熟した果実を採集し、よく乾燥したものを南天実(ナンテンジツ)といい、咳止めの生薬として使われます。
また、漢方薬やのど飴の原料としても用います。
葉は南天竹葉(ナンテンチクヨウ)といい、南天実と同様の効き目があるとされています。
茎は咳止めや強壮薬に、根は頭痛、筋肉痛などの痛み止めとしても用います。