漢方の未病という考え方に共感し、あんず薬局で働き始めて1年の薬剤師です。
たくさんの漢方薬や生薬に囲まれて充実した日々を過ごしています。
我が家のベランダの植木鉢に、20年ほど前に子どもが拾ってきた実から、ようやく1mくらいまでに育ったもののずっと名前がわからなかった樹木があります。
先日、最近はやりの植物図鑑のアプリで調べてみたら、トウネズミモチの木と判明しました。
トウネズミモチの実は女貞子(じょていし:モクセイ科)という生薬だということを、以前受講したあんず薬局の漢方講座で学びました。
この女貞子と旱蓮草(かんれんそう:キク科タカサブロウ)の組み合わせである「二至丸(にしがん)」は、中国の清時代の汪昴によって1682年に完成したとされる800種類もの漢方薬の方剤が掲載された『医方集解』という本に載っています。
陰の気が極まる冬至の頃に収穫する女貞子と陽の気が極まる夏至の頃に収穫する旱蓮草を組み合わせることから二至丸と呼ばれるようになったそうです。
それぞれ陰陽のエネルギーが満ち溢れ、バランスのよい組み合わせはなんだかそれだけでパワーがありそうで、いいとこ取りな感じがします。
中国では補腎養肝として、年齢とともに出る様々な症状に幅広く使われています。
まだ1、2度しか花を咲かすことができていない我が家のトウネズミモチの木。
女貞子ということが分かったので、大事に育て、来年こそはたくさんの花を咲かせ、実らせたいと思います。