12月21日は冬至でした。
ゆず湯に入ったり、カボチャを食べたり、寒さに向かう準備をしたでしょうか。
そうこうするうちに、今年も一週間ほどでおしまいです。
今年は、新型コロナウイルス感染症という新たな脅威に襲われた年でした。
終息の見通しのないまま年を越してしまいそうです。
それでも来る年に希望を抱いて、新年の準備をしていることでしょう。
その1つに、大掃除!
ほうき、はたき、雑巾、せっけん、重曹、クエン酸、セスキ炭酸ソーダ、・・・といろいろな道具がありますが、トクサを使ったことはありますか。
【トクサ】
トクサは、十草とか砥草と書きます。
名前を聞いてもピンとこないかもしれませんが、会席料理店や和風旅館などの入り口あたりに植えてあるスギナがとても大きくなったような植物で、枝分かれしないで真っ直ぐに生えている草というとわかるでしょうか。
最近では都会でも玄関先にすてきに植えているお家があります。
栽培しているものを見ることがほとんどですが、北海道から本州に自生しているトクサ目トクサ科の在来種です。
トクサの特徴は茎の部分に無水ケイ素というガラス質の成分が含まれていて、ざらざらして硬いことです。
この硬さを利用して、木製品の仕上げや漆器の木地を砥ぐために利用されてきました。
砥草の名前はそこからついたともいわれています。
アイヌの言葉ではシプシプというそうで、研ぎ、磨くときの音からきているとか。
中国名では木賊と書きます。
モクゾクといい、漢方薬としても使われてきました。
目の充血や目がぼやけるなど、目にかかわる症状に使われます。
〈トクサでしつこい汚れのシプシプ磨きに挑戦!〉
テレビの時代劇に指物師のおじいさんが出てきました。
指物師とは木で家具や櫛などを作る人のことです。
江戸の町中の長屋に住んでいるのですが、出入り口の引き戸の脇に鉢植えのトクサが置いてありました。
昔から木製品の木地を磨くために使っていたのだと、あらためて感心しました。
現代の私たちの住まいにもトクサを使って磨くときれいになる汚れがあります。
蛇口のまわり、お風呂場や洗面所の鏡、便器などにこびりついた硬い汚れに、湿らせたトクサを持って指先にちょっと力を入れて磨きます。
←トクサの筋目と90度の方向にこすります
もともと草ですから、陶器やガラスには傷がつかずにこびりついた汚れだけが取れます。
新しい年が良い年になるように願いながら、小さいけれど気になるこびりついた汚れを、お子さんもいっしょにトクサでシプシプと楽しくお掃除してみてください。