前回は、「血(けつ)」についてお話しました。
今回は、「血虚(けっきょ)」についてお話しします。
血が足りなくて、栄養がからだのすみずみまで行きわたらない状態を血虚といいます。
血虚は、生活の乱れが大きく影響しています。
仕事上のストレスや疲れ、不規則な睡眠時間、食習慣の乱れなどによっておきます。
胃腸の働きが悪くなると消化・吸収能力が弱まり、食べても十分な栄養を吸収できなくなります。
このために血を作り出す力が落ちて血が不足します。
また、大けがによる出血、生理過多や気づかない内臓出血による血虚もあります。
血虚になると、貧血、顔色が青白い、肌が荒れやすい、小じわが多い、しびれ、皮膚の乾燥によるかゆみ、立ちくらみ、目の疲れ、枝毛、コロコロ便、不眠、健忘、不安感、などの症状が出ます。
血虚タイプの人は、血を養い、巡りをよくすることが重要です。
日々の養生では、夜間睡眠を充分にとり、早寝を心がけることが大切です。
目や頭の使いすぎ、考えすぎも血を消耗します。夜遅くまで勉強や仕事したり、パソコン、スマホなどを見るのはほどほどに。
食事の栄養バランスを心がけましょう。
食材では、
牛肉、マグロ、イワシ、サバ、卵、クルミ、アーモンド、落花生、松の実、黒ゴマ、ナツメ、クコの実、竜眼(りゅうがん)の実、プルーン、干しぶどう、イチジク、ニンジン、ホウレンソウソウ、黒キクラゲ、ひじき、金針菜、などがおすすめです。
ハーブティーでは、
ハイビスカス、ネトルなどがおすすめです。
また、紅茶にドライフルーツ(ナツメ、クコの実など)を入れてもよいですね。
漢方薬では、
婦人宝、当帰養血精、帰脾湯、四物湯、十全大補湯などが使われます。