今日11月7日から小雪の前日までの期間は、立冬です。
いよいよ、冬が始まります。
立冬補冬 補嘴空
「寒くなるこれからの季節、よく食べよう」という、中国の古い諺です。
「よく食べる」ためには、まずは、からだが元気でなければなりません。
健康的に食べるためのからだづくりも始めましょう。
「北戴河保健功」と呼ばれる気功のなかの、自己マッサージの方法を紹介します。
口を使った養生法、「叩歯」・「舌功」・「漱津」の3つです。
変顔になってしまいますが、起き抜けでも、歩きながらでも、お風呂に入りながらでも、トイレのなかでも、いつでもどこでも今すぐ実践できる健康法です。
1.叩歯(こうし)・・・歯を叩き合わせる
唇を軽く閉じた状態で、上下の歯をリズミカルに36回かみ合わせます。
だんだんと強く、かみ合わせていきます。
2.舌功(ぜっこう)・・・舌をまわす
舌を36回まわします。
① まずは、歯の内側から。
左まわしで9回、右まわしで9回、歯茎をなぞるように舌先をまわします。
② 次は、歯の外側で舌をまわします。
舌先で歯茎をなぞります。
できるかぎり歯の根元に触れるように大きくまわしましょう。
内側と同じく、左まわし・右まわし9回ずつです。
まわし終えたときの唾液は飲み込まず、口の中に溜めておきます。
この唾液は、次の3.で使います。
3.漱津(そうしん)・・・唾液を飲み込む
口の中に溜まった唾液で、36回うがいを(歯磨きのときに頬をふくらませるようにブクブクと)します。
そして、3回に分けて喉の音をたててゴクリ、ゴクリ、ゴクリ・・・と飲み込みます。
このときに、下丹田(下腹)にゆっくりと運ばれていくことをイメージします。
口だけで養生できるの?と、あなどるなかれ。
歯を元気にする、歯の周りの血行を促す、脳に血液を送る、そして、唾液を増やし消化の働きを助けて消化吸収力を強化する、といった効果が期待できます。
そのうえ、湧き出る唾液には、普段の唾液よりも数倍強い自己治癒力があるともいわれています。
ところで、冒頭の諺。
直訳すると「口のなかが空っぽになる間もないほど食べよう」という含みがあります。
この諺が生まれたころの時代とは比べものにならないくらい、現代の日本では栄養価の高い食事がとれるようになりました。
一見すると季節なんて関係ないと感じるほど、文明の進歩によって衣食住環境は整っています。
ですから、さしあたって、こういった諺のような食べ方をしなくても、寒さに簡単に負けはしないでしょう。
それでもなお、この時期になると、美味しいものを食べる機会や量がどうしても増えてくるものです。
「冬の寒さに備える」という生命の記憶が、きっと私たちのからだに刻まれているからなのでしょうね。