明日、12月17日は七十二候の鱖魚群(さけのうおむらがる)です。
産卵のために川へと帰る鮭が、群がって川を遡上する姿はとても迫力があり、北国では冬を代表する光景のひとつです。
鮭には必須アミノ酸を含む良質のタンパク質、脂質、ビタミン、ミネラルと多くの栄養素がバランスよく含まれています。
鮭は本来白身魚です。身肉が赤いのはアスタキサンチンによるものです。
アスタキサンチンとは植物性の天然色素で強い抗酸化作用を持つカロテノイドの一種です。
海で鮭が食べるオキアミや藻に含まれており、その栄養素を筋肉に蓄積して優れたエネルギー代謝を得ています。
川の流れに逆らって遡上する運動能力もアスタキサンチンのおかげかもしれませんね。
鮭は産卵前にイクラに赤い色を移すため、イクラにも多く含まれています。
他にも、カニやエビなどの甲殻類、金目鯛の皮などに含まれています。
アスタキサンチンは、生きている時はタンパク質と結びついているため赤い色をしていないこともありますが、加熱するとタンパク質と離れて赤色に変わります。
エビを茹でると赤くなるのはそのためです。
赤い色が濃いほどアスタキサンチンが多く含まれています。
アスタキサンチンは強い抗酸化作用を持ち、活性酸素を除去して、悪玉コレステロールが酸化するのを防ぐため、動脈硬化を予防します。
他にも高血圧予防、認知症予防、眼精疲労の緩和など、健康維持のためには欠かせない食材です。
脂溶性の物質ですので調理に油を用いるとその油に溶け出して体に吸収されやすくなります。
また、ビタミンCなどの水溶性の抗酸化力が高い栄養素と合わせて摂取すると、抗酸化作用がさらに強まります。
金目鯛などは、皮の赤い部分にアスタキサンチンが含まれていますので皮ごと食べるようにしましょう。