秋分によせて
昼と夜の時間がほぼ同じ長さになる秋分の日を境に、季節はぐっと秋めいて空気の澄みわたる一方で乾燥しがちな気候となります。
漢方では五臓の一つである「肺」の宣発(せんぱつ)作用*によって皮膚はみずみずしく保たれ、外邪(風邪などの外からくる不具合をおこすもの)の侵入を防いでいるとされます。肺は乾燥が苦手です。秋になると空咳がでたり、のどの乾燥を感じる方は肺の潤いが不足して働きが弱っているかもしれません。
薬膳では体に潤いを与える、体を守る力をつけることに重点をおき、梨、柿、ブドウなどの旬の果物やレンコン、白キクラゲ、豆乳、山芋、白菜、大根、ハチミツなどがおすすめの食材です。
コロナ禍の中、風邪やインフルエンザの季節を迎える今、体の防衛ラインの強化をぜひともしておきましょう。
*宣発作用:肺が体に必要な水分と気を皮膚や全身に送り届ける作用のこと。
秋分を過ぎても夏の疲れを引きずっているようで体調がスッキリしない場合は、胃腸の働きも強化します。この時期美味しいサツマイモや里芋、じゃがいも、かぼちゃなどを煮物や蒸し物スープとして消化しやすい調理法で召し上がるのがおすすめです。食養生で体調がすっきりししないときは、気軽に一度、漢方薬局に養生法をおたずねください。
厚木店では毎年秋に恒例の健康講座イベントを開いています。
今年は10月に「食べても太らない!食べなくても太る!」というテーマで開催予定です。
天高く馬肥ゆる秋、自然界では食べ物の少なくなる冬に備えて、私達人間は食欲が増し体に脂肪を付けて栄養を蓄えようとします。秋は多少太るくらいでよいのです。ですが、何事も過ぎたるは及ばざるがごとし。
食べても太らない方も、食べなくても太る方も、まずは自分の体質傾向を知ることが大切です。ご自身の体をよく知った上で、食生活や生活習慣を整えていきましょう。
今宵は里芋をレンジでふかして皮をむき、つぶして豆乳や牛乳とコンソメで煮るだけの簡単里芋スープはいかがでしょうか?