なぜ女性は更年期を過ぎると骨粗鬆になったり骨折しやすくなる人がいるのでしょう?
「骨の仕組み」
骨は主にカルシウムとコラーゲン(タンパク質の1つ)からできています。
骨の新陳代謝は、若い人(40歳頃まで)なら全身の骨はおよそ2~3年で新しい骨に入れ替わるとされています。丈夫な骨を維持するために、骨吸収(古くなった骨を破壊すること)と骨形成(破壊された骨の部分に新しい骨を作ること)という二つの働き(骨のリモデリング:骨の代謝)が常に行われていることで保たれています。
骨が古くなると「破骨細胞」が集まって骨を破壊していきます。次にその部位に「骨芽細胞」が集まって新しい骨を作ります。しかし、骨の量は二十歳頃をピークに四十歳頃までは骨代謝のバランスが保たれていますが、加齢や女性ホルモンの減少などにより新しくつくられる量が徐々に減り、壊される量は変わらないので骨がスカスカになってしまいます。
漢方では「腎は骨をつかさどる」といい、腎の気の働きによって骨が成長、発育し、修復すると考えます。
腎の気が不足すると子どもでは発達の遅れ、成人では背骨や腰が曲がるなどの骨の老化症状や、骨がもろくなり骨粗鬆症があらわれたりします。
「骨粗鬆」
骨密度の減少と骨質の劣化による骨折しやすい状態を骨粗鬆といいます。(診断基準は成人平均骨密度の70%以下)
骨折しやすい場所は脊椎椎体、大腿付近部、手首などです。
いわゆる寝たきりなど、高齢者のQRL(生活の質)の低下の原因にもなります。
「骨の改善生活」
①カルシウム、ビタミンD、ビタミンKなど骨の栄養に役立つ栄養素やコラーゲンとなるタンパク質など栄養やカロリーバランスの取れた食事を摂りましょう。・・魚介類、肉類、野菜をバランスよく食べる。牛乳、小魚、豆類など。魚の缶詰、キノコ類、ホウレンソウなどの青菜。
②適度な運動・・骨は日々入れかわっており、特に負荷をかけることで多くの骨が再生されます。骨の強化に運動は重要です。
③適度な外気浴・・骨を強くする助けになります。(カルシウムの吸収に必要なビタミンDは、日光を浴びることで体内でも作られます)
④漢方薬の補腎薬もお勧めです。薬局にご相談ください。