血圧のお話し
2月は、立春を迎え、暦の上では春の始まりですね。しかし実際には、厳しい寒さがまだまだ続いています。
寒い季節の血圧はいつもより上がり気味とのお声を伺うことも多いです。
からだの気(エネルギー)血(血液)は、体内の血脈(血管と経絡を併せもった概念)をくまなく流れ、からだのすみずみにまで栄養を届けています。これを正常に行うには一定に圧力が必要で、それが血圧です。
血圧は一定ではなく、常に上がったり下がったりしています。
たとえば、寝ているときには低く、激しい運動をしているときには高くなります。
また、1日24時間で考えてみると、朝は1日の活動の準備で上がり始め、昼間の活動をしている時には高くなり、夕方になって下がり始めます。
高血圧とは、安静にしているときにも常に血圧が高いままの状態をいいます。
高血圧のままの状態が長引くと「高血圧症」となり、さまざまな症状が現れてきます。高血圧症で困るのは、それが、脳卒中(脳梗塞・脳出血)や心疾患を起こす主な原因となるからです。ほかにも、高血圧症を放置するとおこる病気はいくつかあることが知られています。これらを予防するためにも血圧をよい状態にコントロールする必要があります。
血圧が上がる要因は多くあり、さまざまな要因がからみあって起こることが多いと言われています。
①ストレス
仕事の忙しさや悩み事で緊張状態や興奮状態が続き、十分な睡眠や休養がとれない場合、交感神経が過敏になり血管が収縮して血圧が上がりやすくなります。頭痛、めまい、イライラ、不眠などがみられます。
②飲食の不摂生
体内に痰湿(余分な老廃物のようなもの)がたまり、お血(血の巡りが悪くなって滞った状態)が生じます。気血の流れを維持するために血圧が上昇します。頭重、肥満などの症状が現れます。
③過労や老化
気血の過剰な消耗や生成低下を起こします。気血の必要量が常に不足した状態となり、からだは血圧をあげて供給に努めます。労作後の頭痛、めまい、疲労感などが現れます。
対処と予防で一番大切なことは、十分な休養の確保です。
休養と睡眠によって自律神経は安定し、頭脳部の気血の消耗も改善します。
また、気持ちをゆったりと保ち、急激な情緒の変化を起こさないよう心がけましょう。