梅雨に入ると、やる気がでない、体が重だるい、食欲がない、下痢軟便、などの症状が出る方がいらっしゃいます。
これらの症状は中医学では「脾胃の弱り」によるものと考えます。(中医学で言う脾胃は消化吸収を担う臓腑)
脾胃は湿気に弱い臓腑と考えられています。湿度の高い日本に住む我々は脾胃が弱りやすく、特に梅雨の時期は脾胃にとって悪条件が重なりますのでセルフケアが必要です。
梅雨の時期に、脾胃のはたらきを保つためには、冷たいもの、脂っこいもの、甘いもの、生ものの食べ過ぎを避けることが重要です。万が一冷たい物を取りすぎた後は、白湯で脾胃をあたたためる等、ひと手間かけてあげましょう。
ただし、温かくても消化しきれないほど(お腹がちゃぷちゃぷするほど)の水分は余分なものとして残り、脾胃を弱らせてしまうので、少しずつ取るようにしましょう。
脾胃のはたらきが落ちてきたと感じたときには・・・
朝ごはんをお粥に変えると良いでしょう。
そこに、気を補う山芋、からだを温めるしょうが、気の巡りを良くするみかんの皮、余分な湿を取るはとむぎなどの薬膳材料を入れる薬膳粥も大変おすすめです。
もともと脾胃の弱い方や、湿の影響で機能が落ちてしまったなど、そのような時には漢方薬も上手に活用しましょう。
胃のつかえ感、げっぷ、食欲不振、酸っぱい水がこみ上げる、吐き気がある方。
また、夜遅くに夕食を食べてしまった時や食べ過ぎた時→加味平胃散。
胃腸が弱って消化力が低下し、疲労倦怠感、手足の冷え、貧血などの症状がある方→人参養栄湯
胃腸が弱く、さらに過労や疲労が重なり、疲れやすい、不安感がある、不眠、イライラ、のぼせ、ほてりを感じる方→加味帰脾湯
冷たい物を食べたり飲んだりするとすぐに下痢をする方→人参湯
梅雨があけてやってくる本格的な夏も、湿度の高い日が続きます。脾胃をいたわる生活を心がけて、この季節を乗り切りましょう。