穀雨に寄せて
「土用」と呼ばれる季節が、一年の中で4回巡ってくるのをご存知ですか?
土用は四季の変わり目にあり『立春、立夏、立秋、立冬』の前、18日間を指します。
夏によく聞かれる「土用にうなぎを」とは、夏の土用のことで「丑」の日(昔の暦では、日にちを十二支『子、丑、寅、卯・・・』で数えていました)に「う」のつくものを食べると身体によいとされていたことに由来するそうです。
今は、春の土用の時期にあたります。この期間は、季節が春から夏へと大きく移り変わる変化の時で、人も身体を「春仕様」から「夏仕様」へと変えていくため不調が出やすい時期とされます。
そこで、土用の養生は「無理をしない」ことが基本となります。仕事にせよ家事にせよ無理は禁物と心に留めて、夏の準備をなさってください。
漢方では、変化に対応するために「気」の力を使います。
両親から受け継ぎ生まれながらに持っている先天の気と、飲食物や呼吸から作られる後天の気があり、合わせた「気」が、私たちの体を動かす生命活動エネルギーです。
この時期は、特に「気」を充実させましょう。
そのためには、十分な睡眠と気を作り出す胃腸の調子を整えることが大切です。
食欲不振、胃がもたれるなど、胃腸の不調を感じたら、あわ、ひえ、もち麦などを加えた雑穀粥を食事にとり入れてみませんか?。
また、腹八分目やよく噛んで食べるなど、簡単なことなのに疎かにされがちなことを、毎日の習慣として見直すこともおすすめです。