今日、5月26日は七十二候の紅花栄(べにばなさかう)です。
キク科の植物、紅花はエジプト・地中海辺りが原産で、シルクロード、中国を経由して日本に伝えられたといわれています。
万葉集に末摘花(すえつむはな)、紅(くれない)としてその名が残っています。
そして、源氏物語の第六帖の巻名にも。
日本では山形の名産品で、7月から梅雨明けにかけて咲き、咲き始めには鮮やかな黄色い花をつけ、次第に橙紅色にかわってゆきます。
口紅の材料や染料、サフラワー油の原料として知られています。
そして、大切な生薬、つまり漢方薬の材料でもあります。
漢方薬や薬膳では「べにばな」ではなく「コウカ」とよび、血流改善の妙薬としていろいろな漢方薬に使われています。
さて、この時期、まだまだからだが慣れていないのに、とつぜん暑くなる日があります。突然気温が上がったり、暑さはそれほどでなくても湿度が高いときにも熱中症になりやすいので要注意です。
お出かけ前、帰宅後、また自宅にいても、漢方薬なら生脈宝を、健康食品なら西洋人参烏梅をおすすめします。
どちらも必要以上に汗をかかずに、からだの元気と潤いを保ってくれる働きがあります。
また、西洋人参は薬用ニンジンの仲間ですが、からだを温めないタイプのもので、夏にも使える便利なものです。
今から夏バテでは先が思いやられます。
これらを上手に活用して、本格的な夏に備えましょう。
*お種人参(朝鮮人参、高麗人参ともいわれる)などのいわゆる薬用ニンジンはか
らだの元気をつけ、潤すと同時にからだを温める働きがあります。そのため、暑
い時期や暑がりの方などには不向きです。
しかし、西洋人参は薬用ニンジンの一種ですが冷やす性質のため、からだを潤す
と同時に温めず、夏でも使うことができます。
*生脈宝はお種人参、麦門冬、五味子を主原料とした漢方薬です。本来、「脈を生
じる」つまり、弱って脈も弱くなっている人のために作られたお薬です。しかし
現在では、それのみではなく暑い夏に元気と潤いを与えてくる薬として使われて
います。温めるお種人参が入っているにもかかわらず配合の妙により無駄に汗を
かき過ぎず、潤いを増す働きを強めて元気をつけるという、夏バテや熱中症予防
のにも使える薬として重宝されています。
*お種人参(中国から朝鮮半島が原産、)西洋人参(北米原産)はウコギ科の植物
です。
野菜の人参はセリ科の植物です。